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メスの黒猫・ごま味ちゃんと出会い、思わぬ形で家族として迎えることになった、写真家のtomoさん。そして今現在、近所の保護ボランティアさんのもとから預かったもう1匹の猫「しらたま」ちゃんを自宅でお世話しています。飼うのではなく、預かる。そして、飼い主がいない猫と新たな飼い主さんとのご縁をつなぐ。写真家として、フォロワー数を多く抱えるインスタグラマーとして、譲渡活動を介して伝えていきたいこととは?
――しらたまちゃんはほかの方が保護した猫ということですが、一時預かりボランティアをしているのでしょうか?
tomo 一般的に「一時預かりボランティア」というと、保護団体の方などが保護した猫を代わりに自宅で預かり、団体が新しい飼い主さんを見つけられるまでのお世話を代わりに行いますよね。私の場合は、保護主さんから猫を預かってお世話を任せていただき、保護主さんの希望を聞きながら新しい飼い主さんを探すところまでしています。
私はこの方法を「預かり保護」と呼んでいて、SNSに随時、猫の写真をアップしながら、譲渡を希望する方を募集しています。これまで「こまめ」「むぎ」「りんた」の3匹を預かり保護し、新しい飼い主さんに迎えていただきました。しーちゃん(しらたまちゃんの愛称)は、4匹目の候補です。
そして、嬉しいことについ先日、instagramをご覧になった方からしーちゃんを迎えたいという素敵なご夫婦から連絡をいただき、お見合いが決まったところです!
――しらたまちゃんを「預かり保護」するまでの経緯を教えてください。
tomo ごまちゃん(飼い猫・ごま味ちゃんの愛称)が新居に慣れてきてくれたら、預かり保護を再び始めるつもりでした。先天性心疾患を抱えたこむぎと暮らしていたときは、積極的にはできなかったのですが、今は、夫婦で猫のお世話をすることができるようになったので。夫も大賛成で「保護猫ちゃんはいつくるの?」と、私よりも積極的というか、楽しみにしてくれているくらいです(笑)。
そして引っ越しから3ヶ月経とうとしていたときに、私が住む家の近所に、諸事情でたくさんのノラ猫たちを保護することになった個人ボランティアさんがいると、友人から伝え聞きました。その方とのご縁がつながり、猫たちのうちの1匹、しーちゃんがわが家にやってきました。
「しらたま」は、ごまちゃんと同じで、私が付けた仮の名前。洋猫の血が入っているのかブルーの瞳で、顔としっぽの縞模様に、白い毛並みがきれいな3~4才の女の子でした。
――3〜4才というと、人でいえば20代〜30才ほどのおとなの猫。今回、譲渡希望者を募りやすい子猫ではなく、成猫を迎えたのはなぜでしょう?
tomo いろいろなボランティアさんからお話を聞いたり、自分でも預かり保護をする中で、やはりおとなの猫は、譲渡を希望する方も、預かりをしてくださる方も、まだまだ少ないと痛感しています。
たしかにおとなの猫は、外での暮らしが長いほど、おうちの生活に慣れるまで時間がかかります。でも、「今日はあごの下を触らせてくれた」「今日はおもちゃで遊んでくれた」と、毎日ほんの少しずつ、できることが増えていくんです。そんな変化を感じられるからこそ、愛おしさがいっそう増す気がします。
おとな猫の預かり保護をしている友人とも、「おとなの猫はやばいよ〜! 可愛すぎる!!」「猫変態の心をくすぐるよ!」と、いつもそんな話をしていて(笑)。写真を通じて、少しずつ心を開いてくれる変化と、おとな猫の魅力をアピールしながら、預かり保護を続けていけたらいいなと思っています。
しーちゃんもまだ、人との暮らしに慣れてもらう“家猫修行”をしているところですが、もっともっと心を開いて、甘えてきてくれると信じています。
――飼い猫のごまちゃんとの関わりの中で、しらたまちゃんに変化はありましたか?
tomo 怖がりなごまちゃんですが、心配をよそに積極的に近づいてくれていて。ごまちゃんがいることで、しーちゃんもだんだんと家に慣れてきてくれている気がします。たくましく育ってくれているごまちゃんに、感謝の気持ちでいっぱいです。家の中がとても賑やか。ごまちゃんもしーちゃんも同じくらい愛おしい存在です。
少しずつ心を通わせてくれる保護猫の姿を目の当たりにすると、愛おしさが増して、離れられなくなってしまいそうな気持ちもあります。それでも、これからもごまちゃんに助けてもらいながら、素敵な方たちとのご縁をつないでいきたいです。
(文/本木文恵)
※写真はすべてtomoさん提供
★18年6月20日追記:しらたまちゃんは6月3日に正式譲渡となり、新しい家族に迎えられました! 現在の様子は、飼い主さんのInstagramアカウント@shirayuki_lifeでご覧いただけます。
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tomo(とも)
写真家。2011年末からinstagramに愛猫「こむぎ」の写真を投稿。その世界観と、こむぎの可愛らしさが日本国内のみならず海外でも人気を博す。こむぎが亡くなった現在は、写真で猫と人を繋げるために「出張いえねこ写真家」として活動する。著書に『こむぎねこ』(主婦の友社)、『こむぎといつまでも』(小学館)公式HP:「mugiiro 出張いえねこ写真撮影byこむぎねこ」
*instagram→@tomochunba
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