2020年7月10日、「第6回 動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」が行われました。現在、犬猫を取り扱う事業者が守るべき基準に具体的な数字を盛り込む”数値規制”(適正な飼養管理の基準の具体化)が注目されていますが、その基準案を環境省が発表し、検討を行う場となりました。

 

そこで、当日、配布された「飼養管理基準として定める事項(案)」の全体像がわかるように、基準案のポイント、対象範囲とコンセプト、内容全1〜7までを書き起こしました。太字、赤字、下線の強調も資料に倣っています。実際のものには、各基準ごとに「根拠・考え方」が記載されていますが、長文になるため割愛。全体は、環境省「動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」のサイトにアップされています(*更新されました)。

犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟の要望書、これまでの関係団体ヒアリング内容と比較したい方は以下のリンクへ(全てPDFです)。

 

 


 

適正な飼養管理の基準の具体化について

「飼養管理基準として定める事項(案)」

 

基準案のポイント

●悪質な事業者を排除するために、事業者に対して自治体がレッドカードを出しやすい明確な基準とする。

●自治体がチェックしやすい統一的な考え方で基準を設定

●議員立法という原点と動物愛護の精神に則った基準とする。

 

□基準案:現行の定正的な基準をもとに、できる限り数値や状況等を具体化するとともに、必要な項目を追加する。

 

□併せて、以下の点を説明する「基準の解説書(仮称)」を制作

1)基準を満たす状態(満たさない状態)の例示

2)基準を適用した場合の代表的な品種ごとの具体的数値

3)基準を満たすだけでなく、より理想的な飼養管理の考え方

 

対象範囲とコンセプト

▶︎対象範囲

犬猫を扱う事業者全般

・犬猫等販売業(ブリーダー・ペットショップ)に限らず、展示業(猫カフェ)等にも適用する。

・第1種(営利)に限らず、第2種の譲渡団体等にも準用(法第24条の4第1項)する。

 

▶︎新たな基準検討のコンセプト

必ず守らなければならない基準(レッドカード基準

閉じ込め型の飼養を防ぐ

悪質な事業者を排除する

実効性の担保(統一的な考え方で自治体がチェックしやすいことや、わかりやすいこと等)

 

 

基準1 飼養施設の設備構造・規模、管理 関係

飼養施設の管理、飼養施設に備える設備の構造及び規模並びに当該設備の管理に関する事項

 

▶︎運動スペース分離型(ケージ飼育等)運動スペース一体型(平飼い等)の基準を数値で規定(以降「分離型」と「一体型」と表記)※

※個体に着目した基準とするため、体長と体高の比率を用いて規定するとともに、品種ごとの目安となるケージの大きさを解説書で示す。

 

▶︎閉じ込め型の飼養を防ぐため、運動スペースの確保(面積の具体化、常に使用できる状態の維持)と運動自体も義務化し、ケージの中のみでの飼養を禁止する。

(ペットホテル等の保管業及び訓練業、傷病動物や幼齢動物等は除く)

 

 

 

運動スペース分離型(ケージ飼育等)の基準

寝床や休息場所となるケージと運動スペースを分離するタイプ(分離型)のサイズ

<寝床や休息場所となるケージ>

犬:タテ体長の2倍×ヨコ体長の1.5倍×高さ体高の2倍

猫:タテ体長の2倍×ヨコ体長の1.5倍×高さ体高の3倍(棚を設け2段以上の構造とする)

 

<運動スペース>

一体型の基準(後述)と同一の広さを有する運動スペースを確保し、1日3時間以上運動スペースに出し運動させることを義務付け

運動スペースは、常時運動に利用可能な状態で維持管理することを義務付け

 

 

運動スペース一体型(平飼い等)の基準

寝床や休息場所と運動スペースを含む飼養設備(檻・ケージ等)のサイズ

犬:分離型のケージサイズの床面積の6倍×高さ体高の2倍(2頭まで飼養可)

 3頭以上飼養する場合は、1頭当たり3倍の床面積を追加

 

猫:分離型のケージサイズの床面積の2倍×高さ体高の4倍

(2つ以上の棚を設け3段以上の構造とする)(2頭まで飼養可)

 3頭以上飼養する場合は、1頭当たり3倍の床面積を追加

 

 

 

 

ケージ等の構造等の基準

・金網の床材としての使用の禁止(四肢の肉球が傷まないように管理されている場合を除く)

・ケージ等及び訓練所に錆(サビ)、割れ、破れ等の破損がないことを義務付け

 

 

基準2 従業員の員数 関係

動物の飼養又は保管に従事する従業者の員数に関する事項

犬:1人当たり繁殖犬15頭、販売犬20頭まで

 

猫:1人当たり繁殖猫25頭、販売犬30頭まで

 

親と同居している子犬・子猫は頭数に含めない

 

※犬と猫の双方を飼養する場合等の規定は要検討

※課題のある事業者の上限値強化と優良な事業者の上限値緩和を検討

 

 

基準3 飼養・保管の環境管理 関係

動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項

・動物の健康に支障が出る恐れがある状態(寒冷時や高温時に動物に発現する状態)の禁止、温度・湿度計の設置を義務付け

 

・周期により環境を損なわないように清潔を保つことを義務付け

 

・自然光や照明による日照サイクルの確保を義務付け

 

 

基準4 疾病等に係る措置 関係

動物の疾病等に係る措置に関する事項

・定期的な獣医師の健康診断を義務付け(年1回)

※繁殖個体等の1年以上飼養する個体に対して規定

 

 

基準5 展示・輸送方法 関係

動物の展示又は輸送の方法に関する事項

・長時間連続して展示を行う場合には6時間おきに休憩(展示を行わない時間)を設けること、又は、休息できる設備に自由に移動できる状態で展示されていることを義務付け

 

輸送後2日間以上その状態を観察することを義務付け

 

 

基準6 繁殖回数・方法 関係

動物を繁殖の用に供することができる回数、繁殖の用に供することができる動物の選定その他動物の繁殖の方法に関する事項

犬:メスの交配は6歳まで(満7歳未満)

ただし、満7歳時点で生涯出産回数が6回未満の場合は、7歳まで

 

猫:メスの交配は6歳まで(満7歳未満)

ただし、満7歳時点で生涯出産回数が10回未満の場合は、7歳まで

 

 

必要に応じて獣医師等による診療や助言を受けるとともに、帝王切開は、実施した獣医師による出生証明書の交付を受けることを義務付け

 

 

基準7 その他(動物の管理) 関係

その他動物の愛護及び適正な飼養に関し必要な事項(動物の管理に関する事項)

・不適切な被毛、爪等の状態を直接的に禁止

被毛に糞尿等が固着した状態、毛玉で覆われた状態、爪が伸びたまま放置されている状態等

 

・人とのふれあいの実施(散歩や遊具を用いた活動等)を義務付け

 

・分離型の場合は、1日3時間以上、一体型の基準と同一以上の広さを有する運動スペース等に出し運動させることを義務付け

 

・清潔な給水の確保

2020.07.11(08.07更新)

*図は全て、「第6回 動物の適正な飼養管理方法等に関する検討会」配布資料より